カニヤドリカンザシゴカイ Ficopomatus enigmaticus (Fauvel, 1923) |
上:棲管 下:虫体 |
推定される原産地 |
オーストラリア? |
推定される移出地 |
西南太平洋、オーストラリア |
国内での初発見年 |
1966年 |
国内での初発見地 |
岡山県児島湖 |
推定される移入手段 |
船体付着、バラスト水 |
国内での分布 |
主に東京湾以南の内湾河口域 |
被害状況 |
浜名湖で異常繁殖し、養殖カキに大きな被害を与えた |
・同定のポイント
棲管は白または茶色で、所々に輪状の張り出し部を持つ(上の写真参照)
殻蓋の周縁に沿って同心円状にキチン質の褐色〜黒色の単一の棘が並ぶ
殻蓋 |
・生態
石灰質の殻を持ち、群体を作ることが多く、カキ殻や人工構造物を固着基盤として塊状に付着する。
さらに発達すると礁構造を作るまでになる。
非常に広い塩分耐性を持つことが知られ、これまでの国内での発見は河口などの汽水域が多いが、汽水域以外での生息も可能である。 |
・文献
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岩崎敬二・木村妙子・木下今日子・山口寿之・西川輝昭・西栄二郎・山西良平・林育夫・大越健嗣・小菅丈治・鈴木孝男・逸見泰久・風呂田利夫・向井宏 2004. 日本における海産生物の人為的移入と分散: 日本ベントス学会自然環境保全委員会によるアンケート調査の結果から.日本ベントス学会誌, 59: 22-44. |
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西栄二郎 2002. カニヤドリカンザシー石灰質の管に棲む河口の汚損生物. In 外来種ハンドブック, 日本生態学会(編), 村上興正・鷲谷いづみ監修, 地人書館, 東京: 181. |
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大谷道夫 2004. 日本の海洋移入生物とその移入過程について. 日本ベントス学会誌, 59: 45-57. |
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